Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さぶ

さぶ

山本 周五郎

Lisez さぶ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 210 521 caractères · 415 écrans

Aozora Bunko

「こんなことを云ったからって、おれがやけになってるなんて思わねえでくれ」と彼は続けた、「芳古堂と縁が切れた以上、おれがなにをしようと親方に迷惑はかからねえ、また、親方も店内の誰にも、おれにどうしろこうしろと云う権利はもうなくなった、そうだろう、さぶ」

「それはまあ、そうだろうが」さぶは不安そうに栄二の顔を見た、「いまここでそんなふうにきめなくっても、まだ店内のあにいたちに口をきいてもらう、ってえ手もあるし」

「まっぴらだ」栄二はなにかを叩っ切るように云った、「芳古堂がどんなに立派な店で、店の名がどれほど大事かは知らねえが、こんどのやりかたをみておらああいそが尽きた、向うから戻ってくれって頼んできても、二度と再びあの店の敷居を跨ぐもんか、まっぴらごめんだ」

おすえは蒼白くひきつったような顔で、黙って栄二に酌をし、ついでさぶにも酌をした。栄二はその二杯めもひと息に呷り、三杯めを注がせたが、さぶは酒には口をつけず、おどおどした眼つきで栄二のようすを見まもっていた。

「さぶ、おめえに頼みがある」

「いいとも、なんでも云ってくれ」

「東仲町へいって、おれの荷物を持って来てくれ」