Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
さぶ
さぶ
山本 周五郎
Lisez さぶ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 210 521 caractères · 415 écrans
栄二は喉いっぱいに叫んだ、「きさまたち殺してくれるぞ」
彼は死んでやろうと思った。自分も死ぬ代りに相手も一人は殺してやろうと思い、力をこめて両手両足を振りまわした。けれども火消しの若い者たちは馴れているとみえ、巧みに栄二をあしらいながら、彼を俯伏せにして押え込み、その顔を道の上へこすりつけた。
「番小屋へ連れていけ」と頭が云った、「人立ちがしてみっともねえぞ」
「野郎、じたばたするなよ」と若い者の一人が云い、栄二の脇腹を拳骨で力いっぱい突いた、「温和しくしねえと片輪者にするぞ」
栄二は脇腹を突かれて息が詰り、躯をまるく跼めて、かれらのするままになった。
番小屋は外濠に面した本町の角にある。三人が栄二を連れ込んだとき、目明しと子分の者がい合わせ、頭は知りあいらしく、なにか口早に事情を話して栄二を渡し、自分たちは帰っていった。あとでわかったのだが、その目明しは日本橋弓町の太田屋助二郎、子分は島造という者であった。
栄二は板の間へぶっ倒れたまま、躯じゅうの痛み、特に脇腹の痛みで呻っていた。云うまでもなく、そういう肉躰的な痛さよりも、なにより耐えがたいのは心の痛手であった。