Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Lisez 丹下左膳 (たんげさぜん) de 林 不忘 (はやしふぼう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 241 861 caractères · 480 écrans

Aozora Bunko

三

いいほうの左の眼をつぶって、じっと聞いていた左膳、何やらしんみりと、

「それでチョビ安、おめえ、親に会いたかアねえのか」

「会いたかねえや」

「ほんとに、会いたくねえのか」

すると、たまりかねたチョビ安、いきなり大声に泣き出して、

「会いてえや! べらぼうに会いてえや! そいで毎日、こうして江戸じゅう探し歩いてるんだい」

三

「そうなくちゃあならねえところだ」

と左膳は、見えない眼に、どうやら涙を持っているようす。

そっとチョビ安をのぞき見やって、いつになくしみじみした声だ。

「だがなあ、親を探すといって、何を手がかりにさがしているのだ」

チョビ安は、オイオイ泣いている。

「おっ母に会いてえ、父にあいてえ。うん? 手がかりなんか何もないけど、あたい、一生けんめいになれば、一生のうちいつかは会えるよねえ、乞食のお侍さん」

「そうだとも、そんなかあいいおめえを棄てるにゃア、親のほうにも、よほどのわけがあるに相違ねえ。親もお前を探してるだろう。武士か」

「知らねえ」

「町人か、百姓か」

「なんだか知らねえんだ」

「こころ細い話だなあ」

「作爺ちゃんも、お美夜ちゃんも、いつもそういうんだよ」