Classiques japonais avec furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lisez 丹下左膳 (たんげさぜん) de 林 不忘 (はやしふぼう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 340 187 caractères · 666 écrans
の片割れを帯して、その二刀をわが手に一つにしたいと求めあっているに相違ない……これだけのことが、湯気をとおして見るようにぼんやりながらおさよの頭にもわかっていた。
ところが今、源十郎はお艶の一生を所望している! おめかけとはいえ、終身奉公ならば奥方同然で老いさきの短い母の自分も何一つ不自由なく往くところへ行けようというもの。それに、お艶の素性が知れて武家出とわかれば、おもてだって届けもできれば披露もあろう。
そうなれば、かわいいお艶の出世とともに、自分はとりもなおさず五百石の楽隠居!――と欺されやすいおさよは、頭から源十郎のでたらめを真に受けて、ここは一つ栄三郎への手切れのつもりで、何よりもそのほしがっている一刀を、追って殿様の源十郎に頼んで、左膳から奪って下げ渡してもらおう……おさよはさっそくこう考えた。
母の庇護があればこそ、これまで化物屋敷に無事でいたお艶! その母の気が変わって、今後どうして栄三郎へ操を立て通し得よう?
人身御供の白羽の矢……それはじつに目下のお艶のうえにあった。
が、源十郎よくおさよの乞いをいれて、左膳と乾雲丸とを引き離すであろうか。