Classiques japonais avec furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lisez 丹下左膳 (たんげさぜん) de 林 不忘 (はやしふぼう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 340 187 caractères · 666 écrans
水や空
うめいた左膳さっと、足をひいたのが突進の用意、即座に、左膳、半弧をえがいて豆太郎の素っ首を掻っ飛ばそうとしたが、土をつかんで身をかわした豆太郎、逃げながらの横投げ、錦糸、星のごとく、飛翔して左膳の右腕へ命中した。
が、
あいにくと左膳には右腕がない。
で、右袖に突きささった短剣はそのまま一、二寸の袖の布地を縫ってとまった。
……のもつかの間!
つづいて四剣、五の剣――と皓矢、生けるもののごとく長尾をひき、陽に光り風を起こし、左膳をめがけて槍ぶすまのようにつつんだ……ものの!
丹下左膳、もとより凡庸の剣士ではない。
タタタタッ! と続けざまに堅い音の散ったのは、左剣上下左右に動転して豆太郎の小刀をたたきおとしたのだった。
「あっ!」
この剣能に、きもをつぶして声をあげた豆太郎われ知らず、もう一度ふところに手をさし入れたが――小柄はすべて投じてしまって残りがない。
瞬間! 泣くような顔になったかと思うと、豆太郎はすでに背をめぐらして、目前の草のしげみへ跳びこもうとした。
「待てッ! もう投げる物アねえのかッ!」
左膳の罵声がそのあとを追った。
豆太郎は、振り向いた。