Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lisez 丹下左膳 (たんげさぜん) de 林 不忘 (はやしふぼう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 340 187 caractères · 666 écrans
「だッ……だまされたのだッ! ちえッ!」
「近いところじゃ、鈴川の殿様なんか、あたしでなくちゃア夜も日も明けませんのさ」
「な、何イ? す、鈴川源十郎かッ!」
「鈴川源十郎……とは、あの鈴川源十郎かッ?」
栄三郎が、こうどなるようにいってにらみつけると、お艶は、おちょぼ口に手を当ててあでやかに笑った。
「ええ、鈴川の殿様に二つはないでございませんか。本所の法恩寺まえのお旗本――」
いいかけたお艶の言葉は、中途で無残に吹っ飛んでしまった。おわるを待たず、栄三郎の腕がむんずと伸びて来て、お艶の襟髪をとったかと思うと、力にまかせてそこへ引き倒したからだ。
「お艶ッ!」
片膝を立てて、しっかとお艶をおさえつけた栄三郎の声は、かなしい怒りに曇り、眼は惨涙を宿して早くもうるんでいた。
「お艶、……貴様に、本所の鈴川が執心のことは、拙者も以前から承知しておったが、拙者の妻たる貴様が、かれごときに幾分なりとも心を許そうとは、お、おれは、今のいままで夢にも思わなかったぞッ!」
「――」
白い頬もくだけよとばかり、顔を畳にこすりつけられて、お艶は声も出ない。
「し、しかるに、黙って聞いておれば、かの鈴川が懸想いたしおることを良人の拙者のまえをもはばからず鼻高々と誇りがましきいまのことば……お艶ッ! 貴様、なんだな、先日本所の屋敷に幽閉され