Classiques japonais avec furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lisez 丹下左膳 (たんげさぜん) de 林 不忘 (はやしふぼう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 340 187 caractères · 666 écrans
広い頭部、大きな眼……絶えず口尻をヒクヒクさせて、ものをいうたびに顔ぜんたいが横にひきつる。
大きな茶筅髪を緋の糸で巻いたところなど、さすがに有名な変物だけあって、白絹の寝巻の袖ぐちを指先へ巻いて、しきりに耳垢を擦りとってはふっと吹いている。
が、眼は、射るように近づいて来る与吉に注がれていた。
燭台の光が煌々とかがやき渡って、金泥の襖に何かしら古の物語めいた百八つの影を躍らせているのだった。
剣怪丹下左膳の主君、乾坤二刀の巴渦を巻き起こしたそもそもの因たる蒐剣狂愛の相馬大膳亮が、この深夜に、寝床の中からつづみの与吉に対面を許して、左膳の秘使を聞きとり、それに応じてさっそく対策を講じようとしているところ……。
江戸へ出て以来無音の左膳から突如急使が到着したと聞いて何事? とすぐさま端近く褥を移させたのだが、どうせ代人が手ぶらでくる以上、大した吉報でないのに相違ないと、こうして与吉を待つあいだも、癇癪もちの大膳亮、ひとりさかんにいらいらして続けざまに舌打ち――。
まえはいちめんの広庭。
遠くからこの寝間の光が小さく四角に浮き出で、灯のはいった箱船のように見えた時、与吉はいよいよお殿様へお眼通りだナと胸がドキンとしたが、なあにたかが田舎大名、恐れるこたアねえやな……こう空元気をつけて、申しあぐべきことづけを