Classiques japonais avec furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lisez 丹下左膳 (たんげさぜん) de 林 不忘 (はやしふぼう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 340 187 caractères · 666 écrans
そのたびに一人ふたり、よろめきさがるもの、地に伏さって鬼哭を噛む者。
飛肉骨片。鉄錆に似た生き血の香が、むっと河風に動いて咽せかえりそう……お艶は、こみあげてくる吐き気をおさえて、袂に顔をおおった。
が、見よ!
神変夢想流の鷹の羽使い――鷹の翼を撃つがごとく、左右を一気に払って間髪を入れない栄三郎、もはや今は近よる者もないと見て、
「お艶! どこにいる?」
と刃影のなかからさけぶと、
「はい。ここにおります。――」
答えかけたお艶の口は、いつのまにか忍んできた手に、途中でうしろからふさがれてしまったが、そのかわりに剣魁丹下左膳の声が、真正面から栄三郎を打った。
「なかなかやるなあ、おい! 手をふけよ、血ですべるだろう」
栄三郎は、にっと笑って片手がたみに胴わきへこすった。あとの手が柄へ返る。
同時に、
一閃した左膳の隻腕、乾雲土砂を巻いて栄三郎の足を! と見えたが、ガッシ! とはねた武蔵太郎の剣尾に青白い火花が散り咲いて、左膳の頬の刀痕がやみに浮き出た……と思うまに、
「うぬ! しゃらくせえ!」
おめきたった左膳が、ふたたび虎乱に踏みこもうとするとき、空を裂いて飛来した泰軒の舟板が眼前に躍った。