Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

のぶこ

伸子

宮本 百合子

Lisez 伸子 (のぶこ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 232 543 caractères · 466 écrans

Aozora Bunko

「大したことでないにはきまっているけれど、もう横におなりなさい」

佃はすっかり悄れ、伸子の云うなりになって床についた。

「さあ、元気を出して! 昔の人みたいな考え方は駄目よ。もしそうなら水野さんのお弟子にならなけりゃ」

水野というのは、紐育で知り合いになった高等工業の教授であった。染色研究に来ているうち、肺を冒され、ひどい喀血をした。彼はすぐハドソン河向うの療養所に入り、一年模範的な休養をして、すっかり固めた。十月中旬市に帰って来た時、伸子も初めて紹介された。その時、彼はひさびさで日本語を話す愉快さと、一つの事業をなしとげた人間の計りしれない満足とをもって、一晩じゅう、自分の病気と最新の手当、経過などを彼らに話して聞かせた。

その時の話の中から覚えるともなく覚えていた注意によって、伸子は佃の床の中に湯たんぽを入れ、火鉢を部屋から出した。そんなことをしながら、彼女は、水野が、

「庭にラズベリーの繁みがありましてね、雪が積ると駒鳥が遊びに来い来いしましたよ」

と、いかにもその光景に慰安されたらしく、追懐して話した調子を思い出した。

五

伸子は自分の机にかえって、津山へやる手紙を書いた。