Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

のぶこ

伸子

宮本 百合子

Lisez 伸子 (のぶこ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 232 543 caractères · 466 écrans

Aozora Bunko

と云った。

「お前のぴんぴんは当にならないがね――何しろ困ったものだ――それで何かい、本当に一学期ぐらいで元通りになるのかい?」

「多分ね」

伸子は暗い顔で笑った。

「そりゃ人間だから分りゃしないけれど」

「しかし、もし佃が結核ででもあるんなら、それを黙って結婚するなんて、罪悪だね」

「かりにそうとしたって、前からあったんじゃあないでしょう。そう考えるのは酷よ」

「お前だって、折角健康なのに――何をするんだって体が資本だよ。国の父さんのところへは云ってやったかい?」

「そんな必要はないのよ、まだ」

「だっていろいろ……」

金のことであるのが伸子に推察された。

「本当に大丈夫なの、――」

伸子は炬燵蒲団をはねた。

「じゃあ今日は失礼するわ、いろいろ有難う」

「そうかい」

多計代は未練らしく自分も立ちかけた。

「本当に気をつけなけりゃいけないよ。お前まで変なものを背負い込んだら、家じゃお断りだよ」

部屋を出がけに、彼女は皮肉に呟いた。

「――まああの人にすれば、却って都合がいいというもんだろう。こうなると、出ろと云っても出られるお前じゃないんだから……」

伸子は母が憎々しく、しかし真実を云い当てたのを感じた。