Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

のぶこ

伸子

宮本 百合子

Lisez 伸子 (のぶこ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 232 543 caractères · 466 écrans

Aozora Bunko

ある尊敬されていた文学者がある夫人と自殺した事件が報道されているのだ。伸子は読みなおしながら、何とも云えぬ悲しみと畏怖で震えるようになってきた。口が利けなくなり、彼女はやっと物を云い出した両親を置いて部屋を出た。

×氏は、四十歳をよほど越した上流出身の、教養と才能と同時に人間的敏感さを多分に持った芸術家であった。理想家で、愛妻を失ってから二人の児の父とし、孤独を守って生活していた。作品の詩趣と、その特殊な境遇がいろいろの方面に若い女性の崇拝者を作ったが、伸子はそういう側からでなく、反対に、更に偉大な人及び芸術家として自分を完成させるため、彼が激しく行っているらしい内面的争闘にひどく心をひかれていた。最近書かれた長篇が、伸子に多くそういう点での暗示を与えていた。彼女の理解した×氏は、この一二年間に、必ず運命的な転向を芸術上生活上にしなければならない時間に迫っていたのだ。そこを、ぐんと! そしたら彼は第二の天から、第一の天へ昇り得るであろう。伸子はその時をどんなに心待ちにしていたであろう。伸子は、芸術家の運命、特色ある性格と環境との喰み合いを、よそごとと思えぬ年齢になっていた。