Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
Lisez 吸血鬼 (きゅうけつき) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 190 554 caractères · 381 écrans
倭文子の膝に肘をついて、長椅子の上に足をなげ出している、可愛らしい洋装の少年は、畑柳氏の忘れ形見、倭文子の実子の茂ちゃんだ。
くすんだ皮の長椅子の凭れをバックにして、倭文子の白い顔、派手なクッション、茂少年の林檎の様に赤い頬。「母と子」と題する、美しい絵の様に眺められた。
三谷は二人から目を上げて、彼等の頭の上の壁に懸っている、引伸ばし写真の額を見た。何となく人相の悪い四十恰好の男だ。
「死んだ畑柳ですの。こんなもの懸けて置いて、いけませんでしたわね」
倭文子は神妙に詫言をした。
「それから、茂ちゃんも。この子も畑柳と同じ様に、あなたには、お目ざわりでしょうか」
「イイエ、決して。こんな可愛い茂ちゃんを誰が嫌うものですか。それにあなたに生写しなんだもの。
茂ちゃんの方でも、小父さん好きでしょう。ね、そうでしょう」
そういって、三谷が少年の手を取ると、茂はニッコリ笑って、肯いて見せた。
窓の外には、ここの庭にも紅葉は色づいていたし、常緑木の茂みに、うらうらと暖かい日ざしが照りはえて、ほの白く、うら悲しく、夢見心地の一ときであった。
倭文子は、茂少年の頬を愛撫しながら、突然、彼女の身の上話を始めたが、周囲の情景がそんな風であったから、それさえも、何かしら、妖しき物語めいて聞こえたのである。