Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きゅうけつき

吸血鬼

江戸川 乱歩

Lisez 吸血鬼 (きゅうけつき) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 190 554 caractères · 381 écrans

Aozora Bunko

小さなカンテラがついているばかりで、よく分らぬけれど、柱も何もないコンクリートの壁、赤茶けた薄縁、どうやら地底の牢獄といった感じである。

声を立てて助けを求めるという様なことを、考える隙もない程、咄嗟の出来事であった。

「茂ちゃんは? あたしの子供はどこにいるのです」

倭文子は、だまされたと感づいていながらも、まだあきらめ切れず、甲斐なきことを口走った。

「坊ちゃんには、じき会わせて上げますよ。暫く静かにして、待っておいでなさい」

運転手達は、傲慢な調子で、いい捨てたまま、部屋を出て行ってしまった、ガラガラと閉める頑丈な扉、カチカチと鍵のかかる音。

「マア、あなた方は、あたしを、どうしようというのです」

倭文子は叫びながら、扉の所へ駈け寄ったが、もう遅かった。押しても叩いても、厚い板戸はビクともしない。

かたい、冷い薄縁の上に、くずおれて、じっとしていると、ひしひしと迫る夜気、地底の穴蔵の、墓場の様な、名状し難き静けさ。倭文子は気が落ちつくに従って、我身の恐ろしい境遇が、ハッキリと分って来た。

茂のことで、心が一杯になっていて、我身の危険を顧みる暇がなかったとはいえ、どうして、こうも易々と、こんな所へ連れ込まれたのかと、寧ろ不思議な感じがした。