Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
Lisez 妖虫 (ようちゅう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 120 290 caractères · 239 écrans
如何にも、ショウ・ウインドウの正面には、一人の美人人形が、派出な洋装をして、長椅子に腰かけているのだ。
「ですからね、僕はここの番頭に聞いて見たんですよ。人形を取替えたかって。すると番頭は、一週間程前に飾り替えたばかりで、まだ二三日はこのままだと答えました。先生、人形がいなくなったことを知らないのですよ。ハハハ……、おかしいじゃありませんか」
彼の笑い声は、気違いの様に不気味であった。
「じゃ、君の思い違いだ。あすこに腰かけているのが、その人形ですよ、君の好きだっていう。……君の目がどうかしているのだよ」
紳士が少し軽蔑した口調で云った。うしろから圧し殺した様な笑い声が聞えた。
「アア、あなたは僕を気違いかなんかだと思って、馬鹿にしていますね。フフフ……それもいいでしょう。だが、今に後悔しますよ。マア、僕の云う事をおしまいまでお聞きなさい」
そこで、怪人物の不思議な演説が始まった。表面は紳士に話しかけているのだが、その実、背後の夥しい群集を意識しての演説であった。誰も立ち去るものはなかった。それどころか、奇妙な男の一言ずつに好奇心をまして、まるで大道芸人をでも見物する様に、耳を澄まして聞入っていた。