Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ようちゅう

妖虫

江戸川 乱歩

Lisez 妖虫 (ようちゅう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 120 290 caractères · 239 écrans

Aozora Bunko

怪しの物

不気味な怪物の蠢いていた同じ窓から、昨夜とはうって変って、晴れやかな朝の太陽が覗いていた。

彼女は、ベッドを降りて、ソッと窓を開いて見たが、外には何時に変らぬ庭園の常緑木が、青々と茂っているばかり、何の異常も認められなかった。

やっぱり、あれは夢の続きだったのに違いない。でなくては、あんな大きな蠍なぞが、現実に棲息する筈はないのだから。

「マア、よかった」

太陽の光が、悪夢の魑魅魍魎をすっかり払い落してくれた感じで、彼女はすがすがしい気持になれた。ひどく疲れて、頭がフラフラしていたけれど、気を引立てて身じまいをして、いつもの通り朝の食堂へ出て行った。

「マア、品さん、どうなすったの、あなたの顔色は? どっか身体の具合が悪いのじゃありませんか」

母夫人が、驚いて訊ねた程、彼女は蒼ざめていた。

「イイエ、別に。きっと、ゆうべよく眠らなかったせいよ」

品子は何気なく答えた。昨夜の怪物の事など、明るい太陽の下では、馬鹿馬鹿しくて話し出せなかった。話せばきっと笑われるに極まっていた。

「品子はあの虫のことを気に病んでいるんだよ。だが、心配しなくてもいい。お前のことは警視庁の捜査係長が、すっかり引受けて、警戒していてくれるんだから。