Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
Lisez 妖虫 (ようちゅう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 120 290 caractères · 239 écrans
藪の中の美少女
窓を開いて助けを求めようにも、両側はうち続く並木と生垣ばかり、まれに人家が見えても、みな燈火を消して寝静まっている。
アア、本物の三笠探偵は何をしているのだ。彼の大言壮語はどうなったのだ。彼が保護を請合った珠子の命は風前の燈火ではないか。今こそ老探偵の力を揮うべき時ではないのか。
併し、いかな手品師の名探偵も、風のように疾走するこの自動車を、どう止めることが出来るだろう。賊の自動車は一台きりだ。あとをつけている車などは全く見当らぬ。
藪の中の美少女
白髪の鬘、白髪のつけ髭をした、偽物の三笠探偵は、変装とは全く違った中年男のネットリとあぶらぎった手の平で、か弱い珠子の五本の指を、愈々強く握りしめながら、徐々に徐々に、もはや抵抗力を失った彼女の全身を、彼の厚い膝の上へと引寄せて行った。
珠子はもう目をつむっていた。
薄暗く狭苦しい自動車の箱の中に、ムッとする男の体臭丈けが、熱い風の様に感じられた。とうとうその時が来たのだ。巨大な蠍は真赤な鋏で、彼女を圧えつけてしまったのだ。今にも、毒虫の尻尾がキュウッと醜く曲って来るのだ。そしてあの毒液が、人を気違いにする毒液が、彼女を殺してしまうのだ。