Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ようちゅう

妖虫

江戸川 乱歩

Lisez 妖虫 (ようちゅう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 120 290 caractères · 239 écrans

Aozora Bunko

守もしがみつく様にして、病人の起き上ろうともがくのを押えながら、看護婦に叫んだ。

「では、ちょっとお願いいたします」

彼女は室の外へ駈け出して行った。

三笠探偵の恐ろしい苦悶は、二三分間程続いたが、その間中、彼の目は、裏庭に面している窓のガラス戸へ釘着けになっていた。

守はふとそれに気づいて、思わずその方を見ると、真暗な窓の外に、何かしらチラと動いたものがある様に感じられた。ほんの一刹那ではあったけれど、彼の網膜はそれを捉えた。二つの目が、ガラス戸の外から覗いていたのだ。姿は闇に隠れて、ただ二つの目だけが、室内の光にキラキラと光って見えた。だが、ハッと思って見直した時には、もうそこには闇があるばかりであった。

幻影かしら。イヤ、幻影なれば、病人が同じ様に窓のその箇所を見つめている筈がない。何者かは知らぬが、窓の外から、ジッと室内を覗き込んでいた奴があったのだ。そして、妖星の様に光るあの二つの目が、奇怪な呪いの力を持っていて、三笠探偵をかくも狂わせているのだとしか考えられなかった。

そう思うと、四角に区切られた、窓の外のうそ寒い闇が、異様にもの恐ろしく、押えても押えてもはね返す病人の狂乱が、ただ事ならず不気味であった。