Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ようちゅう

妖虫

江戸川 乱歩

Lisez 妖虫 (ようちゅう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 120 290 caractères · 239 écrans

Aozora Bunko

とすると、今こそ彼女の最期が来たのに違いない。一寸だめし五分だめしのむごたらしい死期が迫ったのに違いない。

若し猿轡がなかったら、珠子は恥も外聞もなく、死にもの狂いの叫び声を立てたことであろう。だが、それすら今は叶わぬのだ。もがこうにも、悪魔の腕が万力の様に引締めている。僅かに靴の先で、運転手の腰かけの背中を蹴るばかりだ。

自動車が速度をゆるめて、大きくカーヴしたかと思うと、今までチラチラと窓をかすめていた街燈の光が、パッタリ途絶えて、両側が真暗闇になった。そして、その闇の中を少し行くと、車は何か大きな建物らしいものの前に停った。燈火も何もない、黒い大入道の様な異様の建物だ。

「サア、お前達は二人で、このお嬢さんを運ぶんだ。手荒なことをしちゃいけないぜ」

偽探偵が指図をすると、運転台の二人は、黙々としてそれに従った。扉を開閉する音も静かに、珠子の身体は軽々と車の外へ運び出され、一人は頭部を、一人は足を、二人の男手にしっかと支えられて、藻掻くにも藻掻かれず、彼女は闇の中をフワフワと漂って行く感じであった。

「サア、もうおろしてもよかろう。担いで行ったんじゃ曲がない。