Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ようちゅう

妖虫

江戸川 乱歩

Lisez 妖虫 (ようちゅう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 120 290 caractères · 239 écrans

Aozora Bunko

彼女は堪え堪えた最後の気力を失って、その場にぐったりとくずおれて、可哀相に気絶してしまったのだ。

「ちっと薬が利きすぎたね」

偽探偵が、くずおれた珠子を顎でしゃくって、首領の青眼鏡に笑って見せた。

「却って世話を焼かせなくってよかろうぜ。柱に括りつけてしまってから、目を醒まさせる方がいい」

青眼鏡は云いながら、張子の岩のうしろへ手を突込んで、スルスルと一丈程もある黒い棒のようなものを引っぱり出し、それを立ててトントンと地面を突いた。見上げる棒のてっぺんには、キラキラと銀色のものが光っている。槍だ。おもちゃではない本物の槍だ。これで珠子の胸を抉ろうというのだろう。

青眼鏡はその槍を使って、十字架上の磔刑人形の手足を縛った繩を、プツリプツリと切り離した。人形はガサガサと大きな音を立てて、竹藪の底へ落ち込んでしまった。あとには、頑丈な十字の柱が、珠子の身体を待ち兼ね顔に、白々と立っている。

「サア、手伝ってくんな。この柱を倒して、娘を括りつけてから、元の通りに立てるんだ」

青眼鏡の命令だ。

「合点だ……オイ、お前何をボンヤリしているんだ。早くこっちへ来て手伝わないか。