Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

やまびこおとめ

山彦乙女

山本 周五郎

Lisez 山彦乙女 (やまびこおとめ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 126 360 caractères · 251 écrans

Aozora Bunko

それが母の愛情かもしれないが、半之助には相当やりきれなかった。

寺へさきにゆくつもりで、玄関へ出ようとすると、中の間の廊下で佐枝にであった。

「今日は御主人役でたいへんね」

彼女はこう云って、大胆にこちらを見あげながら、親しげに笑いかけた。

「お友達がいらしったら、みなさんおつれしていらっしゃい、たくさん御馳走しますわ」

「有難う、暑いのにどうも」

半之助はあいまいな返辞をして、そうそうに玄関のほうへ去った。

彼女とは二年このかた、ほんの三度か四度、それも挨拶を交わすくらいの、つきあいしかなかった。顔だちもそう悪くはないし、利巧そうでもあるが、どことなく高ぶっているのと、あまりに狎れ狎れしいのとで、半之助にはどうしても、好きになれなかった。

外は風がなく、かなり蒸して暑かった。南部坂のところで青山主馬にあい、いっしょに坂をあがると、すぐ右がわにある昌雲寺の、門のところに、村田平四郎と正木重兵衛が、日を除けながら立ち話をしていた。

「また中止になったね、柳沢邸へのお成りが、知ってるかい」

正木重兵衛がせかせかと、こう云った。

「知らないねえ」

半之助はそう答え、すぐに村田へ話しかけた。