Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

やまびこおとめ

山彦乙女

山本 周五郎

Lisez 山彦乙女 (やまびこおとめ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 126 360 caractères · 251 écrans

Aozora Bunko

四

――彼は活き活きとし始めた。そんな抽象的なことを、考える暇がなくなったのだろう、つまり生活が始まったんだ。

それが自然かもしれない。人間はつまるところ、おのおのの生活にはいってゆく。生活は世の中の機構のなかにあるから、惰性と常識に馴れてゆくよりしかたがない。

――そして主馬も、他の幾千万のおとなのように、おとなになってゆくんだ。

こう思って、ふと溜息をついたとき、主馬が元気な足音をたてて、はいって来た。

四

「どうした、うまく穏やかに済んだかね」

「どうだかね」

主馬が着替えるのを、寝ころんだまま眺めながら、半之助はもの憂そうに答えた。

「忍耐に使ういい話というのを、聞いておけばよかったかもしれない」

「その話はするよ、しかし約束は守って呉れたろうな」

「おれは守ったがね、どうやら守っても守らなくても、同じことらしかったよ」

「というのは……」

「まあ着替えてからにしよう」

主馬が浴衣になり、あとを片づけたなをが、注文を聞いて去ると、半之助はようやく起きあがって、冲左衛門や千之助との問答を、あらまし語った。

「ははあ、いかがわしい人間、とね」

主馬は首を捻った。