Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
やまびこおとめ
山彦乙女
山本 周五郎
Lisez 山彦乙女 (やまびこおとめ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 126 360 caractères · 251 écrans
三
「――きれいだね」
半之助は花世の姿を見て、こう云ってから、本当に彼女が、見ちがえるほど美しいのに気づいて、眼をみはった。
花世も、彼の視線と嘆賞の言葉が、自分を褒めているのだと、気がついたらしい、ちょっと得意そうに、すましてみせたが、嬉しさのあまりすぐに笑いだし、
「さあまいりましょう」
とはなやいだ声で云った。
半之助は胸のなかに、あまやかな、温かい感情のたゆたいを覚えながら、青澄んだ明るい山道を、登っていった。
三
「わたくしゆうべの夜なかに、ずいぶん泣いてしまいましたわ」
花世は歩きだすとすぐ、恒例のお饒舌りを始めた。言葉のていねいなときは、たいてい半之助に関する話である。またくさらせられるのか、と思っていると、はたしてそのとおりになった。
「どうしてだかおわかりになって」
「まあ聞かせて下さい」
「わたくしね、あなたに鳥の翼とおんなじ、羽根を付けてあげたいと思いましたの」
「ほう、羽根をねえ」
「鷲のように大きくて強い、そしてきれいな翼をですの、そうすればあなたは、好きなとき空へ舞いあがって、自由自在にどこへでも飛んでゆくことができますわ」
奴袴をはいていないので、彼女は裾が気になるらしい。