Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

やまびこおとめ

山彦乙女

山本 周五郎

Lisez 山彦乙女 (やまびこおとめ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 126 360 caractères · 251 écrans

Aozora Bunko

その眼は火のように、ぎらぎらと光り、蒼ざめた顔に、さっと血のさすのがみえた。

「手を束ねていても、わたしたちは亡ぼされてしまう、生きるか死ぬかの、時が来たのです、甲府城には、武器も、兵粮も、馬も、兵も集めてある、恵林寺さまの御遺志を守って、城にたてこもって、ひと合戦するか、黙って幕府の手に捕われるか、途はこのうちの、一つよりほかにありません、また、武田家再興の望みも、この機会をのがしては、もう決して来はしません、これが、百三十余年のあいだ、待ちに待った、たった一度の機会です、今後には決して望みのない、たった一度の……」

こんどこそ、彼は思いだした。

――あの女だ。

木挽町の芝居茶屋で見た、あの異常に美しい、妖しく魅するような、彼女の姿を。……それは、天女の衣裳と、宝冠を着けたままで、ふしぎなほど鮮やかに、記憶からよみがえってきた。

――だがいったい、……いや、そうだ、姉妹にちがいない、花世にわきをつとめさせ、あのような態度でものを云う、おそらく花世の姉であろう。

このあいだにも、登世は、しだいに昂ぶってくる声で、殆んど叫ぶように、言葉を続けていた。