Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
やまびこおとめ
山彦乙女
山本 周五郎
Lisez 山彦乙女 (やまびこおとめ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 126 360 caractères · 251 écrans
――誰だったろう。
たしかに知っている顔だった。特に微笑している唇のあたりが、……こう思っていると、それはほんの僅かな時間であったが、相手は侮辱されでもしたように、顔を歪めながら、
「五番町の遠藤です」と云った、「お忘れですか、千之助ですよ」
半之助はすぐ思いだした。そして、わけもなくどきっとしながら、「これは失敬、すっかり変ったものだから、ちょっと見それてしまった」
「そんなに変りましたか」
千之助はにっと笑った。
「そうじゃないでしょう、覚えていらっしゃらなかったんでしょう」
「――どうして」
「どうしてって、私はそう思うんですよ」
あいそよく微笑しているが、それは明らかに毒をもっていた。
――ああ、あの笑い方だ。
半之助はそこでまたどきっとした。やさしげにはみえるが、皮肉で、人を嘲弄するような微笑。それは千之助には父、半之助にとっては叔父に当る人。約十年まえに、かんば沢でふしぎな失踪をした、兵庫その人のものに、ひどく似ているようだった。
――だが、そんな筈はない。
半之助はこう思いながら、(いどむような相手の調子には構わず)五番町ではみなさん御健在ですか、と話をそらした。