Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

やまびこおとめ

山彦乙女

山本 周五郎

Lisez 山彦乙女 (やまびこおとめ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 126 360 caractères · 251 écrans

Aozora Bunko

と云いながら窓へ走りよった。

「かみなりさまが落ちたんですってよ、尾張町の山幸っていう呉服屋ですって、あらあら、ほんとだわ、あんなに煙がいっぱい」

そのときまた雷鳴がおそいかかった。おいそは両手で耳をふさぎ、身をちぢめながら、そうぞうしく独りで叫びたてた。

そこへ遠藤千之助が入って来た。

「あの人たちはおくれますよ」

彼は入って来るなり、こう云った。

「谷町に捉まりましてね、逃げられなくなってしまったんです、それで私がひと足さきに、そのお知らせを兼ねて来たんですがね」

「それはどうも」

「ほかにちょっとお話もあるもんですから、招かれない席へ失礼だとは思ったんですが、御迷惑じゃありませんか」

「そんなことはない、どうぞ」

半之助はおいそに振返って、酒の支度をするように命じた。おいそはうわのそらで、まっ赤な火が見えだしたとか、隣りへ燃え移りそうだとか、みれんらしく云いながら、下へおりていった。

「あの人たちはそれぞれ面白いですね」

千之助は坐るとすぐに、扇をつかいながらこう続けた。寺のときと同じで、人をばかにした、からかうような調子である。

「村田という人は老いたる篤農家といったふうだし、青山氏はゆうゆうと捻ったようなことを云うし、松室という人は、あの人はまあ、あれだけの人らしいけれども、正木さんはまたひどく無邪気で」