Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

やまびこおとめ

山彦乙女

山本 周五郎

Lisez 山彦乙女 (やまびこおとめ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 126 360 caractères · 251 écrans

Aozora Bunko

二人とも御側衆であった。

「先の一人は誰だ」

「侍従だよ」

「――侍従とは」

「吉里さ」

半之助はふり向いて、奥のほうへ去るそのうしろ姿を、改めて見なおした。吉里といえば、従四位侍従の柳沢吉里、つまり美濃守吉保の長男である。これまでにも、城中で二度ばかりみかけたが、背丈の小さな、白面の、どこかしら陰気な青年のように、覚えていたが、いまちょっと見たところでは、かなり肥えたようである。

「あとの二人は水野と大久保だろう」

「そうだ、先客も四人ばかりある、そのなかの一人は右京大夫さ」

「御側用人か」

風呂舎で彼が、神田橋、と云ったので、半之助はそう訊いた。松平右京大夫輝貞は、上やしきが神田橋内にあり、御側用人を勤めていた。

「たいそうな顔触れじゃないか、こんなところでなにが始まるんだ」

「定例会談だよ」主馬はあっさり答えた、「七日めごとに一回、この家で集まって会談をするんだ、顔触れはそのときどきで、一定しないがね」

「――どうして、また、そんなことを」

「おれなどが、というのか」

こう云って、主馬はふと箸を取った。

「いまのうちに、ちょっとこいつを片づけよう、鮎の若竹蒸しというんだ、あとでまた珍味が来るからね」