Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

やまびこおとめ

山彦乙女

山本 周五郎

Lisez 山彦乙女 (やまびこおとめ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 126 360 caractères · 251 écrans

Aozora Bunko

「覚えたぞ、その顔……」ぐいと主馬を指さした。

だが主馬はやはり無言のまま、やさしいような眼つきで、じっと相手を眺めていた。

半之助は次高の顔に、ふと凶暴な色がはしるのを見た。ほんの一瞬のことであるが、ごく卑しい、殺意に似たその表情は、忘れることのできないものであった。ついで彼は、自分の鼻を指さし、「おれの、この顔も、覚えておけ」

こう云って、せせら笑いをしながら、去っていった。その足音が、聞えなくなるのを待ちかねて、半之助は主馬にふり返った。

「どういうことなんだ」

「と云われても、ちょっと困るが、ともかく、失敬したようなことになって、悪かった」

「出ようじゃないか」

「まあ待って呉れ、話も残っているし、すぐに帰るというのはまずいんだ、なに、もう大丈夫だよ」

主馬は済まなそうに、だがおちつきはらって、次高のあけた障子を、立っていって、さらに大きく左右へあけた。

「どこまで話したか、ああ、村田は長崎などへゆかなかった、というところまでだな」

「そんな声をだしていいのか」

「もちろんさ」

主馬は軽侮の身ぶりをした。

「かれらは針の穴から覗くことは好きだが、あけひろげた窓を見る知恵はありゃしない、それに、いまのあれだって単純なおどかしで、なにも知ってるわけじゃないんだ」