Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
やまびこおとめ
山彦乙女
山本 周五郎
Lisez 山彦乙女 (やまびこおとめ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 126 360 caractères · 251 écrans
そのときに備えて、柳沢系の人々がいかにやっきとなっているか、いかに策謀しているかということを、登世はおどろくほど詳しく知っていた。
どうしてそこまで知ることができたのか。三年まえに、山村座の桟敷で、彼女は、柳沢吉里と知りあった。
堺町や木挽町の劇場が、富裕な町人や武家たちの、一種の社交場のようになったこと。大藩や幕府の女官たちまでが、そこで豪奢な宴遊をすることなどは、まえに記した。紀州徳川家の未亡人が、生島新五郎の弟のなにがしと醜聞をながしたことや、大奥の老女、絵島の事件などは、その間の事情を伝える代表的なものである。そのために、桟敷以外の座敷で酒食をしてはならぬ、とか。俳優が客の酒席へ出てはならぬ、とか。そのほか多くの禁令が、劇場関係者に対して、しばしば発せられたほどであった。
登世が柳沢吉里と、知りあえたのも、そういう解放的な場所のためであるが、それから、柳沢の老臣、丸茂新左衛門の名で、この家を建て、柳沢系の人たちを次つぎに招いて、珍しい酒食の饗応や、惜しげもない金品の贈与で、しだいに、かれらとの親近さを深めた。かれらは、このようにして、登世と密接に往来し、しばしば、密事の会合を、この家で催すようになった。