Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 186 659 caractères · 372 écrans

Aozora Bunko

と、かれの名が、大坂表にまで、聞えわたったことである。これは、利家にとり、助右衛門の妻にとっても、どんなに、大きなよろこびだったか知れまい。いや、北雪北花幾星霜、加賀衆のお国自慢といえば、かならず助右衛門夫婦の名が語り出されたものだった。

ここに、末森城の危局は、ひとまず、利家にとっては、難なきを得たが――大きく観て――佐々内蔵助成政のうごきは、大きな失敗だったことを蔽い得ない。

無謀の遠征。

確たる自信のない作戦。

要するに、盲動だった。――帰りがけの鳥越城における空巣稼ぎの程度では、その消耗も士気の挫折も埋まるはずもないほどな打撃である。殊に、かれの悶情は、癒ゆべくもなかった。

「さきに、道案内に立った小兵衛を詮議してひっ捕えろ。家は、闕所にし、一族は磔にかけろ」

役人はすぐかれの住居や店を襲ったが、家財、雇人の影もなく、まして小兵衛は、それきり姿も見せないという。

「前田の廻し者に、シテやられたわい。領下の雑人ばらを残らず洗って、臭い者は、片っぱしから取調べろ」

にわかに、成政は、第五列恐怖症にかかった。海陸の通路や城下の旅籠、寺院にいたるまで、旅客の往来に、きびしい制度と、煩雑な手続きを法令化したので、富山を中心とする経済的なうごきは、冬と共に、まったく停止してしまった。