Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 186 659 caractères · 372 écrans
「そう。……そこまで貴公が仰っしゃるには、自分も、歯に衣を着せず、申しましょう」
三成は、めったに人にあらわさない情熱を面に見せ、山城守のすずやかな眸を見つめて云った。
「いまを、ふたつの世界というならば、仰せのとおり、誰しもすぐ、西に羽柴どの、東に徳川どのというでしょう。もしこのお二人が、真に、心を一つにし、利害を、ただ地上人間の億生にだけ置いてくだされば、文句なしに、世は泰平のはずですが、自分の思うには、かなしいかな、その逆だとしか信じられません」
「はて。どうしてであろう」
「三成の小智が申すのではおざらぬ。前にも、断っておいた通り、歴史が云っているのです。人間の愚なる繰り返しを」
「それは分るが、何千年来、愚なる前例を、史に見ながら、なぜまた、二つのものが、分りきった愚の轍をふむのか、拙者には、怪しまれる」
「てまえも、実に、怪しみにたえません。しかし、おそらく二つの分権は、二つのままではすみますまい。孔明の天下三分の計もだめでした。天下二分は、もっと、烈しい対立の相を呈しましょう。なぜといえば、二者の一挙一動はことごとくその対者を決定している。もっと大きな理由は、両者の猜疑と、それに乗ずる策謀家、野望家、不平家どもの煽動です。