Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 186 659 caractères · 372 écrans

Aozora Bunko

夜が明けると、信雄の軍勢二千余も、ここへついた。

蟹江川筋から清洲までの距離は、騎馬なら、一鞭のあいだといえるし、徒歩でもまる一日は要さない。

清洲にある家康へ、事態の急を報じるため、大野城を出た早馬は、蟹江城の寝がえり、海上からの敵水軍の来襲を、その日のうちに、ここへ伝えていたにちがいない。

「あやういことよ」

ちょうど、食膳についていたところへ、家康は、情報をうけた。

「あやういことよのう……」

二度まで、そう云いながら、かれは飯のあと白湯を唇の辺でふウふウ冷ましては、近衆の者へ、目皺で微笑して見せた。

はじめ、変を知ったとき、城中の重臣は、卒然と、足もとを揺すられたような驚愕におそわれたが、家康のつぶやきと、落着きすました白湯の呑み方を見て、

(何か、御確信があるな)

と、おもわれ、諸将の肚もそこですっかり坐ったという。

しかし、箸をおくや、いつもの家康とは、まったく別人のように、物の具出せ、馬を曳け、貝を鳴らせ。――そして、陣ぞろいには及ばぬ、身支度のできた者より、隊列の順、将士の上下にかまいなく、ただ家康の身を、目じるしと思い、わが後からつづいて来い――。