Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 186 659 caractères · 372 écrans

Aozora Bunko

「この、曲者ッ」

と、数人が、おどりかかって、両腕をねじ捕った。

くそッと、投げつけ、投げつけ、長兵衛はその本性を奮い出したが、力つきて、ついに縄にかかってしまった。

「もう暴れはせん。拙者も、滝川長兵衛だ、おいッ、そう恐がって、手荒にするな」

長兵衛は、その腕力を封じられると、こんどは、くそ度胸を面がまえに見せて云った。

「どうだ、ものは相談だが。――実あおれは、叔父の一益と喧嘩して、城から逃げて来たのだが。……上方へでも落ちのびて、気楽な町人で生涯を送ろうとおもい、城中の金子を十枚、肌にかくして持っている。……それを、ここで吐き出して、皆に分けてしまうから、おれを助けてくれまいか。――おぬしたちだッて、金のいらないことはなかろう。戦争は一時、あとあとの暮しは長い一生だぞ」

武者たちは、顔見あわせて、かれの弁舌に、ふと、誘惑をおぼえた様子だったが、組頭かと見える男は、突然、かれの縄目を自分の手に持ち直して、どなりつけた。

「だまれっ、金で戦を取り引きするような者は、徳川家にはおらん。世まい言を申さず、歩けッ歩けッ」

長兵衛を捕えたのは、遊軍石川数正の部下だった。