Classiques japonais avec furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 192 758 caractères · 383 écrans
諷経、散華などの式のあと、さらに禅門各大和尚たちの、起龕、念誦、奠湯、奠茶、拾骨、――などこもごもな礼拝が行われ、さいごに宗笑嶺和尚の、偈辞が読まれ、笑嶺が満身から、発した――喝つ――の大声に一瞬、寂とし――また仏音楽の奏せられるあいだに、蓮華降り、香木薫じ、会者は還り巡りつつ、順次、焼香をささげていた。
が、その会者の中に、ぜひいなくてはならないはずの、織田近親者の半分は来ていない。第一に、三法師も見えなかった。信孝も列していない。柴田、滝川、その他、彼も見えぬ、誰も見えぬ、と思い出される当然な顔がたくさんに欠けていた。
それらは悉く、無視と黙殺をもって、すでに秀吉へむかって、抗争の布陣をあきらかにしたものと誰にもすぐ感じられた。
(このままでは治まるまい)
という思いは、期せずして、大法要の十七日がすんだ直後の人心に残されていた。
近畿の諸将はあらかた会し、毛利輝元も代参を上せているが、柴田勝家翼下の前田、佐々、金森、徳山の諸将、また神戸信孝一類の滝川以下、みな云いあわせたように、上洛もしなかった。とりわけ無気味なのは、徳川家康の存在であった。