Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

Lisez 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 346 393 caractères · 692 écrans

Aozora Bunko

神経も過敏になって、ちょっとした新聞の三面記事にもひどく気を悩ました。人殺し、夫婦別れ、亭主の妾狂いというようなものを読むと、「厭なことだね。」と言ってつくづく顔を顰めていた。

三、四日叔父がまたどこかに引っかかっていた。晩に家で酒を飲んでいると、向島の社長の家から電話がかかって来たと言って、酒屋の小僧が取り次いでくれた。お庄がその酒屋へ行って聞き取ってみると、社長の夫人が例の賭場を開いているのだということが、じきに解った。こんな連中は用心深い屋敷の奥の室へ立て籠って、おそろしい大きな花を引くということをお庄も叔母から聞いて知っていた。その見張りには巡査が傭われるということもあながち嘘ではないらしかった。

叔父は着物を着換えると俥に乗って急いで出かけて行ったが、それきり家へ帰って来なかった。向島へ聞き合わしても、社へ問い合わしても、叔父のその後の居所が解らなかった。

「あの晩の電話だって、どこからかかって来たのだか解りゃしない、お庄ちゃんこの間の紙入れを貰って、それで叔父さんと共謀になっていやしませんか。」猜疑深い叔母は淋しい顔にヒステリー性の笑みを洩らした。