Classiques japonais avec furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lisez 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 346 393 caractères · 692 écrans
四十二
お庄と一緒に、そこいらの後片着けをしていた母親は、急いでその部屋へ入って行った。
四十二
叔父にお庄と植木屋と、この三人が翌日に死んだ赤子を谷中の寺へ送って、午過ぎに帰って来ると、母親は産婦に熱が出たと言って、心配そうに一同を待っていた。
「……それに昨夜から見ると、また今朝水気が出たようでね。重い病が体にあれば、かえってお産が軽いと言うくらいのものだから、まだまだ安心は出来まいよ。」
母親は叔父の着換えなどを、そっと奥から取り出して来て、そこへ脱ぎ棄てられた白足袋の赭土を、早速刷毛で落しなどした。
産婦は疲れた顔をこっちへ向けて、縁側へ出て羽織の埃を払ったり、汗ばんだ襦袢を軒に干したりしている人々の姿を、じろじろと眺めていた。
「皆さん御苦労でしたね。」と、その口から呻吟くような声も洩れた。
「それでお庄ちゃんどうでした、坊さんはよくお経を読んでくれましたか。」産婦はお庄の覗く顔に、淋しく微笑んで見せたが、目に涙が浮んでいた。
「ええ、もう長いあいだ……。」と、お庄は浴衣に着換えながら、ぽきぽきした顔をして、紅入りメリンスの帯を締めていた。
「お墓はどんなとこだかね……癒ったらお庄ちゃんに連れてってもらって、お詣りをしてやりましょうよ。