Classiques japonais avec furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lisez 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 346 393 caractères · 692 écrans
十五
てんで自分の妻という考えを持つことの出来なかったのを悔いるような心も出て来た。ついこの四、五日前に、長湯をしたと言って怒ったのが因で、アクザモクザ罵った果てに、何か厄介者でも養っていたようにくやしがって、出て行け、今出て行けと呶鳴ったことなども、我ながら浅ましく思われた。
それに、妊娠でもしたとなると、何だか気が更まるような気もする。多少の不安や、厭な感じは伴いながら、自分の生活を一層確実にする時期へ入って来たような心持もあった。
お作はもう、お産の時の心配など始めた。初着や襁褓のことまで言い出した。
「私は体が弱いから、きっとお産が重いだろうと思って……。」お作は嬉しいような、心元ないような目をショボショボさせて、男の顔を眺めた。新吉はいじらしいような気がした。
お作は十二時を聞いて、急に針を針さしに刺した。めずらしく顔に光沢が出て、目のうちにも美しい湿いをもっていた。新吉はうっとりした目容で、その顔を眺めていた。
十五
お作は婚礼当時と変らぬ初々しさと、男に甘えるような様子を見せて、そこらに散った布屑や糸屑を拾う。新吉も側で読んでいた講談物を閉じて、「サアこうしちアいられねえ。