Classiques japonais avec furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lisez 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 346 393 caractères · 692 écrans
七十六
宵から奥で寝ている叔父が、目をさましたと見えて、力ない咳の声が洩れて来た。
七十六
家へ帰って行ったのは、その翌々日の午後であった。それまでお庄は伯母の家へ行ったり、親しい近所の家を訪ねたりして遊んでいた。伯母の家では、相変らず皆と花など引いたが、その間も心は始終今の家に辛抱していいか悪いかということについて思い惑うていた。
「前途に見込みがないから、私もうあすこを逃げてしまおうかとも思っているんです。」と、お庄は思い断って伯母や糺にも、自分の心持を打ち明けてみたが、二人ともあまり真面目に聞いてもくれなかった。
「そんなことを言って、今家へなんか帰ってどうするつもりだい。」と、伯母は頭ごなしに言って、先の家の深い事情などは、ろくろく考えもしないらしかった。
「むやみなことをして、中へ入った浅山の顔を潰すようでも悪いじゃないか。」と、糺も言った。
始終聞きたい聞きたいと思い続けていた磯野やお増のことを、お庄は時々言い出そうとしたが、それも詳しくは二人の口から聞き出すことが出来なかった。
「何だかまた別れたとかいう話だぜ。」と言って糺は笑っていた。
芳村が前からよく行きつけていた碁会所の娘と約束が出来て、そこへ荷物を持ち込んで引っ越すようになってから、お増がまた気を焦って、このごろでは磯野の手を離れて、芳村との関係