Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

Lisez 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 346 393 caractères · 692 écrans

Aozora Bunko

八

」

「その家はどういう家なんだ。」笹村はまた訊いた。

「そこの家ですか。それがまた大変に込み入った家なんです。阿母さんというのが、継母で、もと品川に芸者をしていたとか言うんですがね、栄というその子息と折合いがつかなくて、私の行った時分には、余所へ出ておったんですがね、それをお爺さんが入れるとか入れないとか言って、始終ごたごたしていましたっけがね。子息も面白くないもんですから、やはりお金を使ったり何かするんですね。栄はちょっとした男でしたけれどね、私初めから何だか厭で厭で、いる気はしてなかったんです。」

逃げて来てからも、その男に附き纏われたことなどを附け加えて話した。

「それに、ずうずうしい奴なんです。」お銀は火照ったような顔をして、そこへ片づいた晩のことを話した。

「深山は、お前がまた磯谷と一緒になるんだろうなんて言っていた。」

「いいえ、そうは行きません。」お銀は笑いながら言った。

「その方は、もうすっかり駄目なんです。」

八

時々大徳寺などに立て籠っていたことのあるT―が、ぶらりと京都に立って行ってからは、深山と笹村との間の以前からのこだわりが、お銀のことなどで一層妙になって来たので、深山は余所にいた出戻りの妹などと、世帯道具を買い込んで、別に食事をすることになった。