Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しゅんでい

春泥・三の酉

久保田 万太郎

Lisez 春泥・三の酉 (しゅんでい) de 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 86 075 caractères · 173 écrans

Aozora Bunko

――どうして、こう、テレ性なんだろう、あたしッてものは?

――デ、吉原デ生レテ?

と、ぼくは、いそいで、おさわの口をふさいだ。……“どうして、君ッてものは、そう、自分を引ッ掻きまわさなくっちゃァ気がすまないんだ?”という代りに……

――ハイ、吉原デ生レテ、吉原デ育チマシタ。

と、しかし、おさわは、飜然、すぐにぼくの誘いの波にのった。

――家ガ仲ノ町デ、引手茶屋ヲシテイマシタカラ……

――ソレガ、ドウシテ、後ニ、赤坂ダノ、葭町ダノヽ住人ニナリマシタカ?

――震災デ、家ヲ焼カレ、両親ヲナクシテ、一人ボッチニナリ、ワルイ親類ニダマサレテ、芸妓ニウラレ……

とまでいいかけて、急に

――馬鹿らしい。……よしましょうよ、もう、対談ごッこも……

おさわは、わらえもしない、といったような顔をした。

――しかし、震災で、家を焼かれたのはいゝとして……

と、ぼくはいった。

――両親をなくしたというのは、矢っ張? ……

――震災でよ。……廓の中の花園池に入って死んだのよ。酷かったのよ、それァ、そこで死んだ人の数だけだって。……家中みんな、一しょに逃げたんだけど、途中ではぐれて、偶然、ほかの方角へ逃げたんで助かったのよ、あたし……