Classiques japonais avec furigana
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しゅんでい
春泥・三の酉
久保田 万太郎
Lisez 春泥・三の酉 (しゅんでい) de 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 86 075 caractères · 173 écrans
八
――考えました、あたくし……」
「しかし、それ? ――またどうして若宮さんが、そんな?」
「うたむら」の主人は注意深く田代の顔をみた。
「女形ってものは片輪なもの。――どうしたってそういわれるのがほんとうのもの。――どうしたってこれからは女優……女の役は女がやらなくっちゃァいけない世の中が来ている……」
「でも、そういっても、その女優さんたちがみんな不味けりゃァ、これ……」
「喧嘩にならない。――だからそういいました、あたくしも。――と、それはいまゝでの見物……古くから芝居をみて来ているいまゝでの見物だけのいうこった。これからの、だん/\出て来るこれからの見物は決してそうみやァしない。――よし不味くったってこれからの見物にはそのほうがほんとうだ。いくらうまくったって女形は嘘だ。同時にまた何時どんな女優が……どんなに世間を驚かすような巧い女優が出て来ないってことがどうしていえる?」
「なるほど……」
……運ばれた蟹の足をたんねんにむしりながら、小倉はそれにあずからず、しずかに一人、猪口のかずを重ねた。
八
「しかし。――しかし、この間の……」「うたむら」の主人はなお肯えないように「この間の本郷の芝居の、悪い親同胞をもったゝめに苦労する若い芸妓。