Classiques japonais avec furigana
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もめんいぜんのこと
木綿以前の事
柳田 国男
Lisez 木綿以前の事 (もめんいぜんのこと) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 177 586 caractères · 348 écrans
だから発句ばかりを引離して見れば、いずれも生真面目で格別笑いたくもないのが当り前で、すなわち俳諧という語の意味を、よほどこじつけて拡張しないかぎり、今日のいわゆる俳句は、それだけでは俳諧でないということになるのである。しかも芭蕉翁の俳諧の味わいは、こういう考え深い調理法によって、また一段と微妙のものになっているのである。私などの見たところでは、元禄の俳諧の大きな働きは、独り旧来の俳諧の活用であっただけでなく、同時にまた連歌を若返らせたことであった。一方にただ上品で艶も香気も無く萎びていたものと他の一方には活気はあるけれども只騒々しい幇間式の芸術とを、二つほどよく配合してそこに詩情を托せんとした、新しい試みにあったかと思う。それがあの当時の人心を風靡したのも、要するに以前の笑いの文学には全然見られなかったしんみりとした常人の感情、殊に笑いとは対立する憂いとか哀しみとかが、自在に到る処に盛られるようになったからで、その互いの移動牽聯、もしくは遠く近くの反映を、サビとかホソミとかその他色々の新しい用語で説こうとはしていたけれども、宗匠は意外に早く世を去り、旧式の教育を受けた俳諧師はなお国内に充ち溢れていて、いずれも自分自分の器量だけにしか、これを解説し敷衍することができなかったのである。