Classiques japonais avec furigana
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もめんいぜんのこと
木綿以前の事
柳田 国男
Lisez 木綿以前の事 (もめんいぜんのこと) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 177 586 caractères · 348 écrans
七
要するにこれらの食物が、ぜひとも一定の姿にこしらえぬと、晴の日の食物とするに適しなかった理由こそ、まず考えてみるべきものである。
七
是はおそらくは我々の祖先の食物に対する観念の、今よりもはるかに精神的であったこと、もしくは生存というものの意義を、ずっと物質的に解していたこと、別の語で言えば体霊一如の考え方であったことを意味するかと思うが、その点は深く入って行く必要もまた能力も私には無い。社会経済史学の立場から言っても、この日本の餅なり団子なりが、かくも平凡きわまる毎日の食事となってしまったのには、いまだ究められざる文化史上の大いなる動力、殊に近世における複雑なる変遷が、原因であったということを認めるをもって足るかと思う。糯米という一種の稲がいつから日本に存在し、またどういう足取りをもって普及し且つ増産したかということも、経済史の一つの題目に相違ないが、仮にその者が夙く我々の農村にあったにしても、是を非常に旨いものだと経験した機会は、そう容易には出現しなかったはずである。それにはまず今日のような餅の搗き方の起こることを条件とし、しかもその搗き方は至って新しいものであった。