Classiques japonais avec furigana
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しょくぶつき
植物記
牧野 富太郎
Lisez 植物記 (しょくぶつき) de 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 165 848 caractères · 327 écrans
序に古名ヤマスゲ(山菅)の麦門冬について、世人と併せて万葉学者の注意を喚起したい事は、麦門冬には決して大小の二種あるものではないという事実である。世人は皆小野蘭山の『本草綱目啓蒙』の僻説に謬まられて麦門冬に二種ありとし、すなわち一を小葉麦門冬としてこれにリュウノヒゲ一名ジャノヒゲを配し一を大葉麦門冬としてこれに古名ヤマスゲ一名ヤブラン一名ムギメシバナ一名コウガイソウを配しているがこれは全く誤りで、小葉麦門冬とか大葉麦門冬とかそんな漢名は一切これ無く、それは蘭山が勝手に拵えた字面である。元来その漢名麦門冬の中には決してヤブランは与っていなく、これは麦門冬埒外の品である。従って麦門冬はリュウノヒゲ一名ジャノヒゲ、古名ヤマスゲの専用名である。蘭山はこの古名のヤマスゲをヤブランの古名の様に書いていれどもそれも全く誤りで、これは疑いもなくリュウノヒゲの古名である。
元来『万葉集』には恐らく麦門冬のヤマスゲ(山菅)は関係の無い植物であって、集中の歌に山菅(ヤマスゲ)とあるのは多くは本当のスゲ属すなわち Carex のあるものを指しているのではないかと思う。