Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

りょうきのはて

猟奇の果

江戸川 乱歩

Lisez 猟奇の果 (りょうきのはて) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 134 971 caractères · 270 écrans

Aozora Bunko

最も意外なのは、彼を救い出した警官が、一枚の扉をも破る必要がなかったことである。つまり入口は勿論、愛之助が監禁されたと信じていた部屋の扉にさえも、鍵がかけてはなかったのだ。彼は一晩中度々その扉を開こうとしたが、いつも外から鍵がかけてある様に感じた。悪魔はいつの間に、又何が為に、それをはずして行ったのであろう、それとも、愛之助の方で逆上の余り、そんな風に誤信してしまったのか。

朝の陽光と共に妖怪が退散した感じで、昨夜のことは凡て凡て、彼の夢か幻でしかなかったとさえ思われた。巡査も変な顔をして、彼をジロジロ眺めるのだ。

で、結局、この怪屋の怪事件は、うやむやに終ってしまった。警官には愛之助の物語った怪事よりも、愛之助自身の精神状態の方がよっぽど奇怪に見えた。随ってこの事件は、一精神異常者の奇怪なる幻想として、深く取調べることもなく葬り去られたことに相違ない。

事実、愛之助が猟奇の果てに、ついにあの大罪を犯すに至った、心理的異常は、已にこの時に胚胎していたのかも知れぬ。彼は狐につままれた形で、昨夜の出来事が夢か現実かの判断もつかず、フラフラと別宅に立戻った。