Classiques japonais avec furigana
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りょうきのはて
猟奇の果
江戸川 乱歩
Lisez 猟奇の果 (りょうきのはて) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 134 971 caractères · 270 écrans
奴がそんな危険人物として名前を売って居れば、お芝居が一層本当らしくなる訳だからね」
実に驚くべき推理であった。波越警部は、老警視総監のハゲ頭から、こんな恐ろしい推理が飛び出そうとは、夢にも思わなかった。なる程そういう考え方も不可能ではない。総監の推理が如何に適確周到なものであったかは、読者諸君が、もう一度この物語の前段「両人奇怪なる曲馬を隙見する」くだりを読み返してごらんなされば、忽ち首肯出来ることだ。
だが、波越警部の頭には、幽霊男に対する信仰が強い根を張っていた。
「すると、あの三浦の屋根裏部屋での対面は、替え玉を使って、品川が青木に幽霊男を信じさせたお芝居だとおっしゃるのですか。又、昨夜の事件も、品川がA新聞の写真部員が来るのを予め知っていてやったとおっしゃるのですか」
「無論僕等には、そんな持って廻った狂言をやって喜ぶ男の心持は分らん。併し、全然見分けのつかぬ程似通った二人の人間を想像するよりは、まだ幾分可能なことに思われる」
「併し、活動写真に映った顔は? 夕刊新聞の写真版は?」
「そう、そんなものもあったね、だが、君、新聞社の写真部に懇意な者があれば、写真の群集の中へ一人の男の顔を、手際よくはめ込んで貰う位造作はないことだよ。