Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

りょうきのはて

猟奇の果

江戸川 乱歩

Lisez 猟奇の果 (りょうきのはて) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 134 971 caractères · 270 écrans

Aozora Bunko

あのえたいの知れぬ幽霊男が、彼と寸分違わぬ品川四郎の存在を気づき、それを利用して何か悪事を企らむとすれば、さしずめ青木の細君などは、最も魅力ある獲物に相違なかった。

芳江の側から考えても、それは全くあり得ない事柄ではなかった。青木は彼の猟奇癖の為に、又飽き性の為に、殆ど細君の存在を無視して暮して来た。月の内十日程も東京へ行っていたり、名古屋にいる時でも、多くは外で夜更かしをして、細君とむつみ語る機会は非常に稀であった。芳江が愛に餓えていたのは誠に当然のことである。それに彼女は決して、昔の女大学風な固くるしい女性ではなかった。つまり彼女の方にも、充分隙があったのだ。悪魔はちょっと手を下しさえすればよかったのだ。

愛之助はソファに埋まったまま、なるべく芳江の方を見ぬ様にして、もう一度そんなことを考えて見た。だが、彼女は、どうしてこうも平気でいられるのかしら。

「あなた、なぜそんなに黙り込んでいらっしゃるの。怒っているの」

彼女は至極無邪気である。

「そうじゃないんだが。女中達もう寝てしまった?」

「エエ、つい今し方」

「君、今夜どっかへ出掛けたの」

「イイエ、どっこも」