Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ねこののみとりぶし

猫の蚤とり武士

国枝 史郎

Lisez 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 496 caractères · 368 écrans

Aozora Bunko

(よし)

と三十郎は心で思った。

(しめた! あそこから逃げられる!)

燈火のついている座敷の方へ、ジロリとばかり視線を送り、それからその座敷へ背中を向け、自分の横手に刀を構え、女だてらに狙っている菊女の、立ち姿へジッと眼をつけた。

「そこでもう一つ訊くことがある」

と、鵜の丸兵庫はおもむろに云った。

「なんと思ってこの家へ忍び、あのようなところに隠れていたのじゃ?」

「それは……」

と云ったが三十郎は、ヒヤリとせざるを得なかった。

が、すぐにもっともらしく云った。

「途中において松浦氏を――拙者を親の敵と狙う、松浦氏を見かけましたのでな、生かしておいては何かと邪魔、いっそ返り討ちにかけてやろうと……」

「極悪人め! こいつがこいつが!」

「アッハッハッ、善人で。ナーニ拙者は善人で」

「これ三十郎正直に申せ、我らの話、盗み聞いたであろう」

「え?」

とまたもヒヤリとしたが、さあらぬ様子で、もっともらしく、

「聞こう聞こうとあせったは確かで。が、距離が少しく遠く、それに貴殿方はヒソヒソ声、それに指などで畳の上へ字をかき、しめやかに話しておられましたのでな、とんと耳にははいりませんでしたよ」