Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ねこののみとりぶし
猫の蚤とり武士
国枝 史郎
Lisez 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 496 caractères · 368 écrans
二人ながらきわめて幼少の頃に、養子養女として他家へやられていた。そこで慶安騒動が破れ、正雪はじめ一味の人々、ことごとく刑殺されたばかりか、その血縁も刑に行われたが、この二人だけは幸いに遁がれ、今に生存しているのであった。
兵庫は正雪の異母弟だけに、幕府に対する反感と、勤王の血とに燃えていた。で慶安の義挙が破れ、正雪一味が殲滅されるや、その遺業を継ごうものと、ひそかに同志を集め出した。
同志は集まり多数となった。
江戸と京都と紀州とに、同志たちは別れて活動した。
菊女は女ではあったけれど、熊谷三郎兵衛の妹だけに、やはり勤王と倒幕とに、その心は燃えていた。
で、兵庫の同志となった。
兄弟と称して同居しているのは、策謀に都合がよいからであったが、そうやって同居をしているうちに、菊女の心はいつの間にか、兵庫へ恋となって傾いて行った。
その菊女の膝の先に、鞣された白猫の皮が敷いてあり、日盛りの陽があたっているので、蚤は熱さに堪えられないからか、黒茶色の猪のような小さい躯を、綿のように白く柔かく、絹のように艶のある毛並みの間を、抜けつ潜りつさせて蠢めいていた。