Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ねこののみとりぶし
猫の蚤とり武士
国枝 史郎
Lisez 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 496 caractères · 368 écrans
その兵庫の姿はといえば、例によってまことにみすぼらしい、蚤とり武士の姿であった。すなわち着流しで草履ばき、編笠で深く面を隠し、腰になめした猫の皮を、筒のように巻いて差していて、しかも長目の両刀を、落としざしにして差している。
が、兵庫は兵庫一人で、決して旅をしているのではなかった。
同志五人と同伴なのであった。
すなわち神道無念流の使い手、柴田一角をはじめとし、これも剣道では党中無類と、恐れられている金井半九郎、同じく有竹松太郎――これは商売が独楽廻しなので、身装もそれにやつしてい、さらに虚無僧に身を変えている、関口勘之丞と僧の範円――以上が同伴しているのであった。
とはいえもちろんお互い同志は、全く他人であるかのように、相当離れた距離を保ち、そしらぬ顔をして行くのであった。
が、そういう六人の者が、決して少しの油断もせず、見詰めているところの一物があった。
十五人の武士に警護されて行く怪しい一挺の駕籠なのである。
何んと日中暑いのに、その駕籠は上から油単をかけ、内に乗っている主人の姿を、全然人に見せないではないか。
が、その駕籠に乗っている者は、手錠をかけられた武士であって、それは五十嵐右内なのであった。