Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ねこののみとりぶし

猫の蚤とり武士

国枝 史郎

Lisez 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 496 caractères · 368 écrans

Aozora Bunko

それにもう一つの考えもあった。

(この女とほんとうの恋仲となったら、この女も心許すであろう。その油断を見すまして、宥免状を人形の胸から、こっちの手へこっそり取ることが出来る)

「梶子殿」

と、とうとう云った。

「何んの否やなど……何んの何んの……その美しいあなた様に、そうまで云われて何んの拙者が……」

「おおそれでは妾の願いを……」

梶子は頬をパーッと燃やした。

「叶えて……きいて……それでは今夜……ではギューッとこの指を……三本の指で……あなた様の……」

「こうでござるかな、こうギューッと!」

三本の指へ力をこめ、民弥が握ろうとしたとたんに、隣室の間の襖の隅が、そっと開いて窺う者があった。

「や!」

「あれ!」

「誰かが!」と云って、民弥は思わず手を引いた。

が、もうその時には開いた襖が、向こう側から閉じられていた。

そうして誰かが忍びやかに立ち去る、急ぎ足の音がした。

二人は改めて顔を見合わせたが、

「たしかに何者か隣りの部屋で、たちぎきしたようでござりますな」

「はい、どうやらそんなようで……」

と、さすがにテレて恥ずかしそうに云った。

「宿の女中でございましょうよ」